本文へ
STUDIOFENCE / SELECTED WORKPROJECT 01 — 05

KEEN Tachikawa

東京都立川市、日本

PROJECT NOTES空間について/撮影ディレクション作品について読む閉じる

01空間について

白とグレーを基調に、曲面、鏡面、光の線が重なり合うKEEN Tachikawaのサロン空間。

緩やかな曲線を描くレセプションと、連続するセット面。鏡の反射が視線を奥へと導き、開放的な空間に広がりを生み出している。一方、シャンプーエリアでは照明と床の高さの変化によって、セット面とは異なる落ち着いた表情が現れる。

機能の異なる場所を、色彩と素材の統一によって静かにつないでいる。

02撮影ディレクション

撮影では、グラフィカルな造形を際立たせる構図、空間の重なりから生まれる奥行き、素材の関係性やディテールが伝える空気感。この三つを軸に、KEENの空間を捉えた。

特に意識したのは、白を基調とする空間の中で、造形の抑揚を失わせないことだった。天井と同じ白で構成された波打つ壁面は、均一に明るく写すだけでは起伏が曖昧になる。店舗全体に連なる窓からの自然光を生かし、不規則に配置されたロールスクリーンを通して柔らかく拡散する光のグラデーションによって、その立体的な表情と連続性を引き出した。

人工照明は要所に絞って点灯し、自然光がつくる穏やかな階調の中に光のアクセントを加えた。コンクリートの質感、ステンレスの輪郭、樹木の柔らかな陰影。異なる素材が持つ表情を保ちながら、明暗の強弱によって空間全体を引き締めている。

待合スペースでは、スタジオでのプロダクト撮影に用いるライティングの考え方を応用した。ロールスクリーンを通した自然光に対し、家具をほぼ逆光となる角度から捉えることで、それぞれの輪郭や曲面に立体感を与えている。背景の波打つ壁面は柔らかな光の階調で見せ、手前の家具は光の方向によって造形を際立たせた。

さらに、家具同士の輪郭が不必要に重ならないよう、撮影時には配置の間隔をわずかに広げ、互いの位置関係を調整した。椅子やテーブルそれぞれの造形を明確にしながら、個々の家具が空間の中で持つ役割と、全体としてのコーディネートが自然に伝わる構図へと整えている。

レセプションの曲線や天井を走る光のラインは、造形そのものが際立つグラフィカルな構図で捉えた。一方、セット面では鏡や家具が生む対角線と奥へ伸びる線を精密に整理。手前の造形、その先に並ぶ家具、さらに奥へと抜ける空間が重なる視点を選び、複数のレイヤーによって生まれる広がりと奥行きを表現している。

さらに、波打つ壁面の陰影や床の切り替わり、金属の細い輪郭など、全景だけでは伝わりきらないディテールにも視点を向けた。グラフィカルな構図、奥行きを感じさせる全景、素材の関係を切り取る写真。それぞれを組み合わせることで、KEENならではの造形の美しさと、家具や空間の間に広がる空気感を伝える写真として構成した。