Nogeyama Zoo — Nakayoshi Plaza
神奈川県横浜市、日本
















PROJECT NOTES
01空間について
野毛山の丘に配置された、ふれあいコーナー、休憩棟、トイレの三つの建築。
小泉アトリエは、直線部材によって曲面を構成するHPシェルの木屋根を共通の設計言語とし、それぞれの用途や周囲からの見え方に応じて高さと角度を調整している。
屋根の重なりと隙間から光と風を取り込みながら、起伏のある地形と既存の樹木に調和する建築を形づくっている。
02撮影ディレクション
撮影で重視したのは、建築を単独の造形として切り取るのではなく、森の中に収まる三つの屋根を、ひとつの風景として捉えることだった。
上空では、正方形の板が重なり合う屋根の模様と、周囲に広がる樹冠の模様との関係を重視した。グレーの濃淡にわずかな緑を含む屋根の色彩が、森の複雑な色や質感と呼応する。その調和を捉えるため、屋根と樹木の双方が適切な存在感を持つ高度と構図を選定している。
地上では、建築を森から切り離さず、来園者が木々の間から屋根を発見する距離感を大切にした。枝を画面の上端に取り込み、空を背景にした樹冠の輪郭に屋根のシルエットを沿わせることで、建築が森の中に自然に収まる位置を探った。
複数の屋根が重なる場面では、それぞれの縁が描く線の関係を精密に整理した。視点の高さや立ち位置を調整し、屋根同士が視覚的に競合しないよう、平行に見える線の収まりまで意識している。特徴的な木の架構を際立たせるため、エントランスの庇はあえて面を見せず、主役となる屋根以外の線や形状を抑えた。
HPシェルの曲面は、上空、地上の高い位置、低い位置で大きく表情を変える。内部では、その曲面を形態だけでなく光によって伝えることを重視した。日中はあえて照明を消し、森から届く自然光や木漏れ日、夕方の斜光が生み出す陰影と、曲面に沿って移り変わる明暗のグラデーションを捉えている。
薄暮には照明を灯し、屋根の隙間からやわらかく漏れ出す光を捉えた。手前の屋根の輪郭と遠景のみなとみらいの夜景がともに成立する時間帯を選び、森に点在する街灯の光と建築内部の光が調和する構図を探った。
森の輪郭と屋根の線、曲面と光、自然と都市、昼と夜。異なる高さ、時間、距離から捉えた写真を一連の流れとして構成することで、三つの建築が野毛山の風景の中に存在する姿と、その場に流れる空気感までを伝えることを目指した。